水素生産・利用について オーストラリアでの川崎重工・岩谷の計画した褐炭利用での発生・輸送。あるいはエネオス・千代田の太陽光発電による電気分解での発生・輸送と以前書いた。
川崎重工・岩谷の低温液化ガスの輸送 かたやエネオス・千代田の溶媒に溶かしての常温タンカー輸送と別れている。おじさん自身がこの4社の仕事をさせて頂いたり、一緒に仕事をしていたので「赤勝て白勝て」と中途半端に応援し納めてしまった。
現状 水素フロンティア号がドック入り状態なので何とも言えないが、技術的には溶媒に溶け込ませての常温移送が強いとは判断している。
そこに商船三井が2022年11月、公式YouTubeチャンネルにて「ウインドハンタープロジェクト ~ 風力と水素を活用したゼロエミッション事業 ~」と題した動画を公開した。
やはりこの船も水素を溶媒に溶かせることで、発生した水素を安定させて保持・輸送するコンセプトである。水素の爆発範囲は非常に広く少量の漏れにも注意が必要である。高圧で貯蔵すれば容器に浸透し材料の原子間に入り込み容器材料の強度を低下させる。水素は使用・貯蔵に難しい気体である。
こんな水素の得失を分かっているから、川崎重工は水素フロンティア号の長期ドック入りで確認・改良をやっていると思う。ブレークポイントを見つけられることを期待している。
ウインドハンター
ウインドハンターは、最大高さ53mにもなるこの硬翼帆を、甲板に10基も取り付けている。
この船は水素生産船、商船三井は「動く水素生産プラント」と称しています。船内で海水と風力エネルギーを活用して水素を生み出し、陸上へ供給することを目的とする。推進力にも風力と水素を活用し、環境に影響する廃棄物を排出しない完全ゼロエミッション運航を可能にするといいます。
風の力で航行しながら、水中では発電タービン(多分ドルフィン機構など利用)を用いて発電し、ポンプアップした海水から純水作り電気分解して、水素を作り出します。
発生した水素とトルエンを化学反応させ、水素キャリア(水素ガスを扱いやすい物質に変換したもの)のひとつMCH(メチルシクロヘキサン)をつくり、船内のMCHタンクに貯蔵。
一定量が貯まれば陸揚げし、水素を取り出します。これの原理は以前書きましたのでご参照ください。
https://goodgg.jp/wp-admin/post.php?post=7893&action=edit
https://goodgg.jp/wp-admin/post.php?post=7907&action=edit
エネオス・千代田のものと 原理は変わりません。後は再度トルエンを補給して再度洋上に向かい繰り返します。案内ではこれらをロボット・工業化したイメージです。
バッテリー船
これも日本を代表する造船会社が後援している。洋上風量発電の電気をバッテリーに充電して輸送するアイデアである。しかし同級生が福島沖での洋上発電などに関わったので断片は聞いている。この問題点の一端ではあるが、船舶を洋上で風力発電装置に着桟させることが 気象により難しかったと聞いているので・・どうかとは思っている。風のあるところ 洋上は荒れ易い。
おじさん この後援会社にもお世話になったのであまり書きたくないのだが・・・更に バッテリーには内部抵抗があり移し替えるロスも大きいと思っている。アテが外れる公算は大きい。
従ってウインドハンターの如く 既存の港湾に安全に入港して、物質でロスなく荷揚げ出来ることが望ましいと考えている。バッテリー船を作るのは基本的に効率が悪いと読んでいる。実用化するには、なにか更なるアイデアが必要と見込んでいる。