空母福建は まだまだ熟成不足の戦闘機と空母の組み合わせと思っている。中国は新たにシリーズ船を建造し 隻数で稼いで充実させたいのだろうが、それには相当の国家予算を使わないといけないし、人も時間も金も必要と思っている。おじさん飛行機が大好きなので 搭載する戦闘機の面から書き始める。
中国戦闘機の搭載エンジンが ぼろ過ぎるのである。流れがロシア系ジェットエンジンの為、長さがあり メンテナンス周期も短い。従って機体が大型化せざるを得ない。従って空母搭載時格納機数では制限が大きい。中国戦闘機とアメリカ戦闘機の大きさを比べて、つめ込んでも搭載機数比率は2対3までと見込んでいる。もう少し翼幅などを畳めるようにして、エンジンを改良し長さも減らさないと搭載機数増大は難しい。中国も分かっているので 機体の小型化を目指しているようだが、どこまで行けるのやらと思っている。
少し押し込んだことを書くと アングルデッキの角度が緩く、発進・着陸エリアの間が狭く、駐機スペースも些か少ない。多分次艦では改善されるだろうと思っている。それに夜間の発着艦はまだ公表されていないので、まだ空母では最低限の機能があるとしか思っていない。ステルス機はレーダーに映らず、視界の悪い夜陰に紛れて攻撃するのが最も効果があるが・・その能力を持つかは 現在不透明で実力はまだ計り難い。
船体強度を高めた空母とはいえ船体はサギング・ホギングという変形を繰り返す。その概要は昼間は飛行甲板が伸びて船体下部がちじみ、夜間は逆の現象が起きるなどする。また波浪による捻じれなども発生する。変形する船体に電磁式の長いカタパルトを設置すればカタパルト自体も変形する。その為 トラブルも起きやすいので今しばらく見ていた方が良い。
アメリカ軍の空母は基本的にエンジンのテストベットを船尾に備えているので、部品さえあれば 船内でオーバーホールが出来る。外洋で長期間戦えるように基本計画された空母である。戦闘機のエンジンのメンテナンス周期も中国と比べれば長いので継戦能力も高い。空母の大きさがほぼ同じで、アメリカは原子炉で電力供給に問題ないのに 片や通常エンジンである。連続した発着艦あるいは燃料補給・装備の取替・装着などにアメリカには問題は少ないが・・中国は?と思われる。また搭載する機体が大きいので 甲板上などで 誘導・展開・格納に時間も手間も取る。
以上のような点から空母同士の艦隊決戦をするなら 中国は数で勝負するしかない。しかし空母の維持を考えると、隻数が増えれば増える程 膨大な人と資金を必要とする。そんなことをやるようでは 昔の日本が八八艦隊で アメリカ海軍を太平洋上で迎え撃つとの戦略を想定したのと似たようなものである。日本は国民を犠牲にして 膨大な戦力を準備した。戦闘想定海域も 旧日本軍と似通った考えである。実際の 戦争では多くの要素が影響するだろうし、世界に展開するアメリカとは戦略・戦術が異なるので、太平洋のみでは数的優位を確保出来るのかも知れないが・・引き替えに 昔の日本同様に 国内に貧しい国民を大量に作ることになる。更に 過去の一人っ子政策で 日本以上の高齢社会が日本より早く訪れる。先日からの米中経済摩擦で発表されている経済成長率も 疑問が付けられるようになって来ているが・・それでも まだやる気なのだろうか?
平和が一番 無理は禁物である。
「核心的利益」など言い出すのは
昔から好戦的な国の常套句である。