ばあ様がデイサービスの日は 毎度ながら牛丼を食べに行くのだが・・茶碗というか味噌汁椀の持ち方が変で・・誰が教えたと思うような持ち方をしている中年がいた。お椀のふち周辺を人指し指をお椀に入れて3本の指で掴んで(つまんで)持ち上げている。若い方で茶碗を下から支え持ち、肘をついた形はよく見てきたが・・中年ではこの形はあまり見ない。
おじさんも食べながら他人を見ているので、お行儀が良いとは思わないが・・体が不自由でキッチリ持てないのか?癖としてマナー違反な持ち方になっているのか気になってのことであり、ご容赦頂きたい。斜めに見ながら 体の問題ではなく ご当人の「癖」と分かり、なぜなんだろうと見て考えると・・上から片手で掴むことを優先している行動と思えた。こんな時は「親の顔が見てみたい」となる。
普通なら食器を取り上げる場合は 丁寧にするなら右手に持った箸を少し持ち替えて、両手で汁椀を持ち上げるか? お椀を横から手を入れて椀高台横を少し持ち上げて 碗のふちと高台横の指を膳との隙間に潜り込ませて支えて持ち上げる。
彼はどんぶりを置いたままスプーンで食べているので・・もし飯碗ならどう持つのだろうと気になった。箸の持ち方・使い方が話題に上るが・・碗の持ち方さえおかしいのが 中年で現れたことに驚いてしまった。ちなみにサラダはスプーンでかき込んだので、箸の使い方は分からない。
おじさんは 親が共働きだったので、食事は明治生まれのばあ様が作り いつも一緒に食べていた。食事の時 ちゃぶ台の前での正座から始まり、箸の持ち方、茶碗などの取り扱いが悪いと、黙って手などをつねられた。そんな躾を受けて来たので、板の間で正座しても いまだに1時間以上は平気である。そして 箸の上げ下ろしについて悩むことはない。逆に 親であるばあ様の「引き箸」など見ると・・・やってるなどと思ってしまう。明治生まれのばあ様も 現役時代は忙しく、子供であるばあ様に手を掛けられなかったと思っている。
そんな経験から 親などが手間を掛けたか?掛けなかったが分かるのが食事作法と思っている。しかし 逆に手を掛けられなくて育って、持ち方を知らない親が増えて、教えることが出来ないもどかしさも生まれて来る。立て直すには自身の気付きと奮闘しかないと思っている。
最近の咀嚼音(そしゃくおん)問題などよりもあり、おじさんマナーはどちらに向かうか?分からない。そばを手繰る(たぐる)時に啜って音を出しても許され、抹茶を飲み干したときに啜る音を出してマナーとしては推奨される。お茶を飲み干したときに啜り音を出すのは 一服の茶が美味しかったと亭主に伝えるためである。ところが客先で出されたお茶は少し残すのがビジネスマナーと、社会人になった頃 教えられた。正しくは 客先から勧められてから飲むということが重要で・・一口残すなどはどうでも良い。
いろいろな場面で いろいろな取り扱いそしてマナー・・げに世の中は難しい。