中国の空母遼寧を中心とした艦隊が 9月20~26日に 沖ノ鳥島の西近海で演習したようである。自衛艦もマークして情報収集をしているらしく、艦載機の発着艦を約410回 内訳は艦載戦闘機が約250回、艦載ヘリが約160回とのことである。案外と言うか?中国戦闘機のエンジンも運転時間が結構伸びて来たと思えるが、同時に発進した機体の履歴も分かれば エンジンのメンテナンス周期と予備エンジン換装など色々想定できることが増えて良いと思う。中国領海など近海でやれば情報収集もやりにくいが・・日本近海なら 外からじっくり観測出来るしデータも採れる。おじさんなどは日本の南端近海であるので、お好きにと思うが・・気分の悪い方もおられるのだろう。任務についていたのは 海上自衛隊の護衛艦「あさひ」で、警戒監視・情報収集を行ったとしています。

 話は少し変わるが アメリカの空母後部を後ろから見ると、飛行甲板の下にくぼんだ空間があることに気付かれると思う。ここが整備したエンジンの試運転場である。アメリカの空母では予備エンジンの他 空母内でエンジンの着脱・整備・再組立・試運転が行われていることが分かる。一方 中国空母遼寧では同様の大気開放スペースが見当たらないので、エンジンの分解組み立てと試運転までは出来ないのだろうと思っている。こんなことを考察していくと 空母艦隊の戦闘継続能力が分かって来る。

 ロシアのクズネツォフ級空母は廃艦になると 現在噂されている。ウクライナで捕虜になった兵士に元乗組員が多く出て来たので、訓練されたクルーまでが一兵卒として駆り出されるという事態になったと想定されている。昔の日本で言えば「数合わせ」と同じような兵士不足だけとは判断出来ず、組織的に・・とまで考えられる。艦艇での「先任下士官」はいなくなると後進の新兵育成も困難になる。彼らまで抜き出したということは・・ロシアでの空母維持は1隻さえも難しい軍事・経済状態になったと見られるのである。

 空母保有はアメリカでは原子力空母1隻当り年間800億円 耐用年数を掛けて総額4兆円と言われる。これに搭載する航空機・燃料・予備品が加わるのでこれを加えれば100億円×100機=1兆円となる。同時に空母を中心とした艦隊防空もあり・・付属艦艇を含めれば大変な費用が掛かる。

 こんなことが分かっているので 日本の「かが」などは 当面はヘリ空母として運用されるようである。搭載するF35B型は 普段陸上にて基本運用して空母に乗せない。また現状ではパイロット・機体整備なども 空自なのか海自なのかあやふやである。良い意味 中国の言う「小日本」らしく 国民の収めた血税を 無駄なく節約に努めてくれているようである。日本のEEZは広く従来の体制では 燃料が足らずで 戦闘機が防衛のため飛んで行くことさえ 無理な島も多い。防衛上 空母運用はそんなケースに限られ、経費削減も考えた上で 人員・機材共にゆっくり育てるようである。

 イギリスの空母は2隻体制であるが・・2番船のプルンスオブウエールズは修繕が追い付かず1番船クイーンエリザベスに部品取りされているようである。そんな訳で 実質イギリスは1隻体制である。こんなことからも空母運用は高くつくと分かる。 

 一方中国は3隻目の空母を建造・公試中のようだが・・果たして維持管理できるかは経済崩壊する中・・国民を犠牲にしながらとの公算が高いと思っている。最新の「福建」はカタパルト方式としたようであるが、実績のある蒸気カタパルト技術がないので、最初から開発に?が付く電磁式としたようで・・・アメリカの最新艦の実績を見ても 開発には時間が掛かると思われる。更に主機が原子力でないため、発電能力に余裕がないので 戦闘機の連続発進問題にも?が付く様である。

 不思議に思っていることなのだが、海上自衛隊は27日、小笠原諸島・父島の北東約900キロ沖で中国籍の調査船から救助要請があり、作業中に負傷した乗組員の中国人男性を救助した。その頃なぜ中国の「遼寧」を中心とする艦隊に救助を求めなかったのか?中国政府機関も指示出来なかったのか?不思議である。またその後も 中国政府・マスコミからの謝意などもない。SOSに素直に応じる日本と違い、シーマンシップの欠片もない船乗りの集団のようである。中国は それなりに付き合うしかない国家・国民と思えてしまった。

 

投稿者

おじさん

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