貴族社会では 昔から日本で用いられてきた手法で、時の権力者が敵対する新興勢力を自滅させるために、その人物にふさわしくない位階を次々と与えることによって、人格的な平衡感覚を失わせ、自滅させていく手法である。 この「位打ち(くらいうち)」の使い手として有名なのが平安時代末期の後白河法皇で、その被害者の代表格は 平清盛であり源義経であると言われるが・・おじさんは 平清盛は別と思っている。平清盛は太政大臣に登り詰めた後、直ぐに出家して俗世を離れたとして 平安貴族の影響を潰し、今の神戸 福原に遷都している。既存の組織を自ら離れ、日宋貿易を牛耳り、宋銭輸入・唐物輸入など貿易を独占し平氏繁栄の道を開いた。

 なお 義経は頼朝より高位に任ぜられ・・頼朝との関係がどうにもならなくなり 潰れていった。そんな訳で源義経のリストアップに異存はない。

 おじさん 斎藤兵庫県知事のホテルレストランでの会食で、無理を言った内容が県幹部から百条委員会・週刊誌などで暴露されたことから、いつの世も人は 位打ちに弱いと感じた。

 2023年7月 全国知事会議が山梨県で開催された。当初 斎藤知事は宿泊するホテルではない場所で、夕食を取る予定だった。しかし、大阪の吉村知事がホテルで夕食をとると聞きつけると「俺もホテルで夕食をとる」と言い出したという。だが、事前の予約がないととれないと説明されると、車のシートを蹴って「俺は知事やぞ」とものすごい剣幕で同行していた県職員を恫喝した・・百条委員会で明らかにされた事実である。本人は「車のシートは蹴っていない」「俺は知事やぞと激怒することはない」とは否定している。

 「現代ビジネス」は、その模様を知る県職員から話を聞くことができたとし、あれは「ビュッフェ事件」と呼ばれています。斎藤知事のパワハラ、わがままを象徴する出来事です。事前の予約がないと ホテルで食事はとれないと断られたことを伝えると『俺は知事やぞ』と激怒して、同行の県職員ではなく、県幹部にまで連絡して、ホテルで食事をとれるようにしろと言い始めた。最後は 県幹部がホテルの支配人に頼み込み、用意してもらったそうである。大阪吉村知事の選挙応援などを感謝してとのことであろうが・・このあたりの発露は ご本人の性格である。

 それなりの地位に上がってくると、周囲への目配りなどが弱くなり・・上手く立ち行かなくなる。豊臣秀吉の凄いところは、地位を与えられると同時に養子になるなど、貴族社会の摂関家など貴族社会の家格・序列を巧みに利用している。おじさんは サラリーマンも同じであると思っている。「あいつだから仕方がない」と言われるか否かなど・・学歴・才能・家柄・実績・後ろ盾など多岐にわたる要素が絡まる。下手に威張らず 上手く態勢・同友を作れるか否かの分れ目となる。

 まあ エスタブリッシュメントになるのは並大抵のことではない。多くの方は 修行・見識が足らず、踏み間違えることが多い。明日の朝 ブログアップの予定で書いているが・・斎藤兵庫県知事の不信任の話題がネットに上がってこない。どうも過去の記事を読むと午後6時以降のようである。結果は見えて・・不信任案反対ゼロは確実である。可決後の知事のコメントを聞きたい。