今となっては大昔のことだが おじさんが若い頃 日本のメモリー生産が世界一になり、アメリカが無理矢理 通商圧力を加えて来て、生産を韓国・台湾に移るように仕向けて・・日本の半導体生産は潰された。今回は 中国が半導体大量生産にシフトしようとする際、輸入できる製造装置の型式を古いものに限定した。最新のスペックを古い機械で作ろうとしても、欠陥が多く生じて検査過程が多くなりコストアップそして大量生産は無理となる。それでも中国は 無いよりは益しと多く輸入しているようである。韓国・台湾のみでは将来不安があり、日本の再進出に文句を言ってこない。
現在 熊本・北海道で新工場を立ち上げ生産しようとしているが、評論家などが2線級などと批判している。そんな雑音は聞き流して 先ずは国内での大量生産を軌道に乗せることが大事である。おじさんは 以前のことから 半導体生産についてはアメリカの手のひらに乗せられているだけと思っている。孫悟空とお釈迦様の逸話と同じである。先ずは大量生産能力がなければ 世界市場に進出できない。
ここで 話をおじさんの好きな飛行機の話題に変えて進めることをお許しいただきたいのだが・・・市場争奪戦の参考としてです。
世界で航空機製造などは 第二次大戦後アメリカが世界の空を掌握したため、アメリカでの型式証明を受けないと世界では飛べない。型式証明は、航空機が安全性基準、環境基準に適合することを製造国の政府として審査・確認するもので、同機が運航を開始する上での大前提となる。三菱のリージョナルジェットMRJの開発中断を追っていけば見えて来る。これには相当の政治的駆け引きが必要である。エアバス社の成立を見た後のアメリカ・ヨーロッパの政治的暗闘は調べて読めばワクワクする。一極から二極になる闘いであった。今回失敗した三菱と日本政府がスクラムを組んでアジアの空を政治的にまとめることが出来れば・・可能性はゼロではなかったと思う。しかし中国がしゃしゃり出て・・難しいとは思っていた。現在中国の同時期に開発した機体を 国内あるいは特定の国との間で運用されている。型式証明がなければ 自国内の運用は問題ないが 他国間で飛ぶ際は個別の許可を必要とする。この状況を無知なマスコミが比較記事を出し 論点が分かりもせず批評だけする。
ホンダのように初期開発は行ったが アメリカグリーンズボロで製造・販売など 全体をホンダエアクラフトに投げたことにより 早期に型式証明が得られた。昔 自衛隊用に開発したMU20を改良してMU300というプライベートジェットを作ったが売れず、ビーチ・エアクラフト社では「ビーチジェット400」として販売され、後に「ホーカー400」と改称されている。良い機体を作っても 国内でしか売れなければどうしようもない。
半導体についても同じであり、2線級であろが・・数量を出してシェアを取らないと発言権価格決定権は育たない。
杞憂していることは他にもあり 近頃新日鉄が中国からの撤退を決めたが、宝山製鉄所を作るときなどは トップから全ての部門に大戦での贖罪意識があったためか、近年まで特殊鋼板の技術漏洩などに対して大甘であった。その為技術的優位を失っていった。電子産業でも液晶パネルなども同様に韓国などに流れ出てしまった。
贖罪の時は過ぎ これからの時代は技術を守り 自分の孫・子のことを考えて行動すべきであると思っている。アメリカなどはそんな考えを露骨に出している。日本が対抗するには 世界でシェアを取ることが基本と思っている。