最近読んだ記事で インドネシア高速鉄道は最高速350km/hで商業運転するそうであるが、それは怖いもの知らずと思っている。インドネシアは環太平洋地域であり火山・地震は当たり前である。日本の新幹線の通常営業運転は250km/hとしているのは急停止距離約2500mから制限されていることを知っていれば、インドネシアの怖いもの知らずも・・大したもんだと理解できる。インドネシア高速鉄道ではほぼ同等のブレーキと考えられ、停止距離は速度の二乗に比例するので、ほぼ倍の停止距離となる。
地震に対して知見の少ない中国の計画であり、多少地震への対策を推し進めても 被害が予想される点である。日本の新幹線の地震管理は地震波PとSの時間差を利用して、本震前に大きく減速するように計画している。地震の中心(震央)が直下あるいは近ければ諦めるしかないが・・導入可能な限りの知見は反映している。その結果 中越地震・東北大震災にもけが人などをほとんど出さなかった。インドネシアは地震国と言うことを考えれば 最初から中国のシステムでは無理と判断できるが・・金利差と提示価格そして要職へのバックなどにつられてやってしまった。その後は中国の手の上で転がされて・・工事期間の延長により 資材高騰などにより更に高価格・政府負担増となったようである。
路線延長について日本に打診して来たようであるが、現在の完成区間 つまり日本の関知していない路線の安全性・使用車両の管理・制御まで押し付けられてはたまらないので、日本はお断りしたとのことである。後はインドネシアと中国が勝手にやれば良いと思う。中国は金欠状態となるので金を貸せない。これからどうするかは インドネシア政府の考えることである。
日本が参加するとすれば完全に新しい路線・計画での単独参加でなければならない。インドネシアは首都移転の話もあり、別の案件が出てくれば一考と思っている。
保守管理
現在は新品の車体・線路であり近々の問題発生はないが、経年によるレール・車輪の摩耗・路盤の不等沈下などを考えれば、なかなかアチャーと思える光景が見られると思っている。
ついでにお伝えしておくと 日本の新幹線台車回りは 戦闘機「零戦」のフラッターと呼ばれる機体を分解させた振動制御に力を発揮した松平氏が 高速での台車の暴れ・揺れ防止を担当解決した。また0系新幹線外観は双発攻撃機「銀河」の初期試作機体に似ているなど 戦前の航空工学をリードした方が加わっていた。そんな歴史的発展を経ないで・・ライセンス生産によりコピー発展(?)された車両と線路が、何時まで耐えるかと思っている。
YouTubeなどで騒音を計ろうとしたが 試運転は1日数往復するだけなので・・との記事を読むと背筋が寒くなってしまった。テストランが少なすぎるし、車体・線路の不具合など商業運転前に、欠点を洗い出し潰すことさえしていないようである。線路に繰り返し荷重をかけて点検して管理していかないと・・良い線路に育ちません。敷いた砕石がこすれ合い・砕けお互いの隙間を埋めていく。がっしりとした敷石に成長する。さらに摩耗して小さな砕石は路盤に落ちていくようになれば線路は緩んだ状態となっていく。線路は常に変化するものだからこそ保線つまりメンテナンスがものを言う。
なお 沿線での騒音測定結果は計画値よりエラク大きいのは中国製でのお約束である。車輪カバーもない、パンタグラフ気流制御等もない外観・・騒音など測らなくても新幹線よりうるさいことは分かる。
インドネシアでも日本同様保線作業の大切さは変わらない。メインは 孫が大好きなドクターイエローのような車両とノウハウがないと管理できないと見込まれる。便数が少なく、経年時間が経っていない場合はそれなりで良いが、そのうち揺れの激しい高速鉄道に成長すると思っている。いまはコインが立つと豪話していればよい。車輪がすり減り 再度削って再使用など車両整備そして保線作業は経験の積み重ねで決まる・・現状維持できるかが見ものです。
おじさん「おっちぬのが怖いので・・」インドネシア高速鉄道に乗車することはないと思います。怖いもの見たさ・仕事で仕方なく乗るなら 新しいうちです。
韓国は導入したフランスTGVの外板割れ問題について、フランスから突き放され 日本に泣き付くことがありました。独自の道を選んだ以上は 自力更生で発展いただきたいと思っています。韓国は分散動力型新型車両を開発されたようですが、走行中の振動は相変わらず大きいようです。多分保線が出来ていないのでしょう。
鉄道は過去を引きずるのが常なこと 区間延長についての話など 中国一択しか選択肢はありません。
ローマは一日にして成らず 技術は常に成長を続けることこそ肝要です。インドネシア高速鉄道では 日本は協力する立場にありません。
1/8/2024追記
メンテナンスのネタ晴らし・・中国高速車両の車輪は日本からの輸入品と知っている方は少ない。近年輸出を止めたので 鉄道関係技術者などがノウハウをリークしたかと思っていたが、ドイツに打診して断られたようである。現在 中国人技術者の苦しみが始まっていると思っている。インドネシアの高速鉄道もこれから苦労すると見込んでいる。しかし 速度を落とせば台車の揺れなども収まり問題ないので・・安全運航も確保できる。
何事も 代を重ねて・伝えてが技術の伝承である。ジェットエンジンは繰り返し使用するが、ロケットエンジンは大半1回こっきり 良くて2回である。従って1回使うのは大丈夫でも 繰り返し使うに難があることは多い。鉄道などは繰り返しの使用が多い。
工業製品は使われ方により設計・材料などは変わってくる。そんな微妙なことが分かっていないと製品を評価することは難しい。ヨーロッパの鉄道技術が落ちたのは 技術の微妙なことを伝えることが絶えたためと考えている。
デジタルデータだけじゃないんだな!これが!
先日 おじさんの孫が「小鉄」ということで、ドクターイエローの先端で車体を触りながらの写真を上げていた。正月の暇に任せて孫の写真を見ていて、どう彼が進んでいくかはわからないが、好きなこと・遣りたいことにつき進めと思ってしまった。