何度も中国で洪水を見ていると、EVの修理・復旧が上手く行くものか?とのことを考えている。壮大な実験が用意されているように思い出した。他人の不幸を喜んでいるのではなく、これほど多くのEVが浸水に見舞われる機会は 世界でも見られないことなので、果たして無駄なく・無理なく・事故なく・修理・復旧できるか?がおじさん関心の中心である。
日本でも愛媛県大洲市・熊本球磨川流域などで同様の事態を受けたが、ほとんどは内燃機関車両である。EVという車両が多く存在しないので、今回の事例は「他山の石」となると思っている。
原則的に車のワイヤーハーネスはコネクターで接続されているので、浸水後はコネクターに泥水が入り込み接触不良・絶縁状態になる。また端子部の錆なども発生するので適正に洗浄・乾燥されないといけない。内燃機関のエンジンも電装品関係はコネクターで接続されているので同じであるが・・EVではモーターなどに送る電力量が半端ないので、コネクターは増えたり・大きくなるなどする。
そしてバッテリー本体は車両底部にあるが、外部は十分板金で保護されていると思うが、経年変化もあり水封が確実か否かは分からない。勿論リチウムバッテリーは不安定な発火などを引き起こす可能性があり、浸水車の保管管理についても注意が必要と思われる。洪水直後にまともな管理が出来るかにも疑問が湧いて来る。
もし保管中に一台が発火し 類焼が周辺の車両に及んだ場合は、責任の所在まで争う事態も考えられる。日本でも先日パチンコ屋の駐車場で発生した車両の類焼などは、誰が駐車場管理者?損害賠償での責任の所在などは 論争となると見込んでいる。
保険会社は発生直後にスイッチつまりキーを回すなどすれば、事故後の車両の状態を変更したことになる・・その後車両が燃えたりすれば、危険行為を所有者もしくは管理者がしたとして、保険会社は責任逃れを図る可能性もある。でも移動の為 ハンドルロックなど盗難防止を解除するためにキーを回すことが必要があれば、何気に問題になる可能性がある。移動の為 手を出して・・損をするかもしれない。
中国人は 道端で倒れた人を助けてはいけないと昔から言うらしいが、手を出せば訴訟が起きる国だからである。その為 浸水車は川に流され、原形をとどめぬほどぺコンペコンになってる方が良いかもしれない。
日本では 中古車販売でも浸水した車両は査定が一気に落ち、販売も自粛される。ここは保険利用と言いたいが、日本の場合 保険では原因が天災なので無理がある。
しかし中国は過去の実績があまりなく・・何もなかったことにして売るのが大半と見込まれる。原因は 車検その他車関係の法令また消費者保護法などが未整備なので起き易い。
最後に改めてワイヤーハーネス・バッテリー・モーターの交換技術が中心である。スクラップか?再生か? 事故後のEVの取り扱いについて コスト・技術的にも上手くやれるかのテストとなる。
電気自動車が好きな方は特に注目されることをお勧めする。なお おじさんはファーストカーとしてのEVは遠慮したい。セカンドカーとして奥さんが中心となって、近所での買い物その他では EVは良い選択と思っている。何処でどんな使い方をするかで車の選択は変わってくる。セカンドカーとして近距離走行だけなら、バッテリーも負担が小さく 良いかもしれない。