ウクライナが戦線後方の補給基地攻撃を 目覚ましい勢いで行っている。前線で地雷排除とロシア防御陣地からの攻撃を弱くする方法はこれしかない。潤沢な弾薬・兵器があれば前線正面で砲撃あるいは空からの支援などで遠隔的に攻撃を出来るが・・ウクライナは潤沢に持ってない以上は、相手の補給を妨害し、攻撃中の前面から飛んでくる弾、設置される地雷を少なくしないといけない。その為には補給を断つことが当然の手段である。
単純に考えても、ロシア側からの反撃砲火も少なくなり、地雷の追加敷設出来なくなるので反転攻勢もやり易くなる。弾薬庫であれば派手に爆発して見えるが、レーションなどの食料などの物資を棄損すれば兵士自体の気力・体力を奪い継戦能力を奪っていく。これも戦術であると理解することは当然である。
昔 日本が南方などで補給が疎かになり、兵士の多くが戦闘で戦う前に、風土病・飢えなどにより倒れた。残酷なようだが ウクライナが味方の犠牲を減らすためには必要な戦い方である。
地雷原の広さとロシア陣地の大規模構築は ウクライナに対する武器援助が遅れたことが最大の要素と思っている。砲弾の飛び交う中、生身の人間が地雷を除去し進む事態を作ったのは、即応武器がウクライナになかったためである。
あまり話題にならないが、地雷の設置は甜菜(てんさい)などの掘り起こす農機具技術流用で作られ、1Km敷設するのに20分程と言われる。ウクライナ工兵はイタチごっこのような戦いを 銃弾が飛び交う中作業している。地雷の補給を止めるのが最も効率が良い。それを知っていれば地雷の誘爆を誘えるクラスター弾などを 一方的に批判することは知識不足である。
10月が来ればさらに泥濘の地になり、輸送路はより限定的となる。今が踏ん張りどころの時期だと、ロシア・ウクライナは戦いを続けている。
スラブ人犠牲者
先日から報道を見ていると、ロシア兵の多くはウラル山脈以西のスラブ系は少ないようである。従ってモスクワ近郊出身ではなく極東あるいは中央アジア方面が主として動員されているようである。貧しさが兵士への扉を開くようである。当然 死傷者の数はモスクワ方面では少なくモスクワで親族が戦死したなどは少ないと思われる。モスクワ近郊の人々はロシアでは比較的豊かであり、多くのロシア人が反戦運動をすることもなく国外脱出などの報道も多い。
それ故 ロシアという国は民度の低いと言うか情報の統制されたダメ国家としか断じられない。自国のウクライナに対する犯罪行為について、犯罪とも思わず、責任も感じないようである。
国民の意思により設立された国家の行為は国民が責任を取らなければいけない原則を忘れている。ここはスラブ人の戦死者が多くなるまで、ロシア人が気付くのも無理というものかもしれない。プーチン大統領他の政治家・富裕層の都合に誘導されている国民である。振り回されていることにいつ気付くのやら?
気になること
ニュースでウクライナがクラスター弾を使用したと報道があり、その後ロシアの高官からロシアもクラスター爆弾を使用する権利があるとのことを、キャスターがロシア側の発言のまま流す。おじさん聴いていて、先にロシアがクラスター爆弾を住民の住む都市・駅に落としたことが抜けていることに気付く。ロシアの「いけしゃしゃー」ということである。
ロシアの印象操作の手助けをしている反省がないことに驚く。「先にロシアはクラスター爆弾を使用した」と枕詞のごとく付けろと思った。ロシアは 白リン弾など都市攻撃に用いた戦争犯罪を過去から現実に至るまで犯している。
マスコミとは無責任に発言のみを伝えていれば、済むのだろうか? 世の中言い張ったものが強いと思っているのがロシアの基本のようである。
それに加えて 日本の野党議員が 見限られて来た現在に至っても、従前の方法論なしで批判するのを止められない。反戦を主張するなら どうやってロシアをウクライナから撤退させるのか?方法を含んだ対案を述べろ!と思ってしまう。