ウクライナでのロシア兵の戦死者が多く、ロシア政府は苦慮しているらしい。 露軍の死者数を巡っては、ロシア軍参謀本部は「3月25日までに1,351人の軍人が死亡し、3,825人が負傷した」と発表した。一方で、ウクライナ側は約1万5000人以上と主張している。

チェチェンの時は戦死したロシア兵の「母の会」なる遺族達が騒ぎ始めて、反戦運動が起きた。チェチェンの例もあるから、プーチンも今回の死者数は必死で隠したいのだろう。プーチン失脚は軍のクーデターや暗殺の可能性より、戦死者数が増えて遺族達が騒ぎ出し、暴動がきっかけになる可能性のほうが大きいようである。恐らく戦死者数はもうチェチェン紛争を超えているだろうし、これからも増える。

戦死者があるということは、戦傷者もある。通常 戦傷者は戦死者の倍以上となる。そうなれば一人の戦傷者に移送・治療などを考えれば、1人以上の介護担当が割かれる。従って一人の兵士が戦死・戦傷となれば、後方に送るため、最前線から最低2人が抜けることになる。戦死者(1万人)・戦傷者(2万人)を3万人と見積もれば実際は6万にの兵士が抜けていることになる。20万人が投入され6万人が抜ければ戦力はがた落ちである。また若い兵士が多いとのこと、ベトナム戦争後のアメリカで起きた 帰還兵の心の問題などと同様のことが、将来起きるかもしれない。

おじさんは 早期にウクライナの戦闘が中止され、ロシアが撤兵することを望んでいる。同時に東京裁判同様に平和に対する戦争犯罪を追及すべきと思う。将来ウクライナ侵攻のようなことが、世界で繰り返さないための策である。そして一般人への人権侵害などにも、戦争犯罪を適用すべきと思っている。

起きたことを正しく未来に伝えるためにも、必要なことと思う。同時に思う常に戦いは自衛・正義の下で実行される。極めて理不尽なことである。

CNN

ロシアのタブロイド紙「コムソモリスカヤ・プラウダ」のウェブサイトに、ウクライナでの軍事作戦で1万人近いロシア軍兵士が死亡したとの記事が掲載された。この報道の部分はすぐに削除されたとのことである。同紙はこの後、サイト管理者のアクセスがハッキングされたとする声明を発表。事実に反する偽情報が挿入されたが、ただちに削除したと述べた。

記事にはロシア国防省からの情報として、ウクライナでの「特別作戦」で軍要員9861人が死亡、1万6153人が負傷したと書かれていたとある。以上のことは 米国防総省の推定ではこれまでに最大1万人が死亡したとされ、同紙が報じた人数と一致するとされた。

さらに時事通信によれば 北大西洋条約機構(NATO)の推計を報じ、最大4万人のロシア兵が死傷または捕虜、行方不明になったとする。7000~1万5000人が戦死したとみられている。

補給

おじさんアウトドアが好きだったので、たまに「ミリ飯」関連ページを覗くことがある。そこには各国のミリ飯が放出品として通販サイトに上がっている。ロシアのウクライナでの補給困難を聞くと、横流しありか?と疑問が湧いてくる。中国でも昨年の大洪水の際 貯蔵穀物の帳簿在庫他が消えていた話を聞いていたので、ロシアもか!と思っている。

貯蔵しておくのが原則であるが、期限を過ぎれば使えない。期限切れの前に売り出してしまえば、荒稼ぎである。ロシア軍ミリ飯(MRE:戦闘糧食)が軍の在庫の横流し品とすれば・・軍の在庫不足が判る。ウクライナでの一般兵士の店舗荒し・一般家庭での食料品略奪など、末端の補給状況が見えて来る。

先日津軽海峡を抜けた輸送船のデッキにはトラックが積まれていた。戦車などの正面装備より補給などのトラックが不足したのも原因かと考えている。ロジスチックなど総合的に見ているとロシアの劣勢は濃厚である。従って ロシアは如何に国内向けに人的被害を誤魔化し、大義名分に合わせていくだけと思う。

展望

ウクライナが素直にロシアを押し返せると思っていない。小口径火器を跳ね返し進撃出来る戦車などの戦力不足である。戦闘シーンでウクライナが戦車に対して旧来のRPG対戦車ロケットを5発ほど打ち込んで戦車を破壊するシーンがあった。歩兵は生身の体であり、防御は防弾チョッキと限られる。どうしても押し返すには戦車などの戦力差が大きすぎる。強力な防御兵器であるジャベリンなどの西側の武器で防御しているというのが現状と評価している。

また ロシアが狙いを東部に変えたとあるが、鵜呑みにしてはいけない。武田信玄の「きつつき戦法」を思い出す。きつつきが木をつつき、驚いて虫が穴から飛び出して来たところを捕まえるという光景が誕生のきっかけになったという説がある。具体的にどんな戦術かというと、ひところで言うなら『つり出し』となる。徳川家康が三方ヶ原で挑んで敗れたのが有名であり、大軍が寡兵を相手にする時の常道である。ウクライナが南に注力すれば、キエフ防御が手薄になり・・反撃を食らうストーリーが見えて来る。

ロシアはキエフ北部では陣地化を図っているようである。陣地化は攻め手の犠牲を大きくするために欠かせない。これに対して従来からの力攻めをしないで、ドローンなどを用いて補給分断・上空背後から攻撃をウクライナが実行し出せば、寡兵で戦えると思っている。戦車も燃料と弾がなければ「ただの鉄くず」である。