高齢者が何時までも現場で長時間働くことは良くないことと思っている。しかし軽微な労働で社会に参加することは意義のあることと思う。
実際に経済的に厳しいため働かないといけない場合もあることは否定しない。現行の年金制度が25年以上掛けなければ、いい形での受給権取得は難しい。また同時に年金受取金額を見てもそれなりとなる。「おまんま」のために一時的あるいはフルタイムに働くことは当然のことである。
しかし歳とって肉体的に無理が出来ず、稼げない時期を想定し、年金などについても若年から長期的視野で考えることが重要であると伝えたい。
低賃金という状態から抜け出すことを常に努力していないと、年金受給額もそれなりにしかならない。年金は社会人となり引退する間の40年間の平均賃金で額が決まる。
ムリでも時間を作り 資格試験などの勉強をして、転職あるいは自立への道を切り開くなど、常に通過点の意識が無ければやっていけない。水と同じで「澱めば腐る」ので若者のステップアップを願う。
また逆に高齢者が無理やり低賃金労働をして、若年層に及ぼす影響も考えないといけない。高齢者が低賃金労働し過ぎれば、若年層の低賃金を招く。社会全体が上手く住み分ける体制を考えないといけない時代かもしれない。
雨の3日も降れば・・
こういう中で考えないといけないのは、ウーバーイーツなどに代表される、インターネットを通じて単発の仕事を請け負うギグワークなどである。昔「土方(大工)殺すにゃ 刃物はいらぬ 雨の3日も降れば良い」と言うのがあった。現代では 雨が降っても仕事ができるように瓦を先に載せ、周りにブルーシート養生という具合に成っています。昔は雨が 降ったら建築(大工)仕事はできず、3日も降られたら「おまんま」食いはぐれたのかも知れません。
「江戸っ子は宵越しのカネは持たねぇ」ともいいますが、日当制が当たり前だった頃、夕方にお金をもらい、湯屋に行って汗を流し、帰りに一杯引っ掛けて、かあちゃんに手土産のお団子買って、二八・十六文の夜なき蕎麦を啜れば、ほとんど手元に残らないのが実体である。
国が昨年実施した「フリーランス実態調査」によれば、 ギグワーク の約3割を30代までの若者が占める。好きな時間に好きなだけ働けるメリットがある一方、雇用は不安定で、所得も低いという人が少なくない。さらに労働法規で守られない落とし穴が待ち構えている。
世界
ほとんどの先進国は経済発展と福祉拡充により65歳以上の雇用率は下方安定化するか同水準を維持している。2010年と2020年を比較すると、ノルウェーは18.1%から10.3%に、スウェーデンは13.3%から10.7%に低くなった。フィンランドも7.8%から6.3%に、ルクセンブルクも3.4%から2.8%に65歳以上の雇用率が下降した。高福祉国家でも老人はまだまだ働いている。
逆に経済協力開発機構(OECD)加盟国平均は12.3%から14.7%に2.4ポイント上昇している。
お隣の韓国が昨年の統計では韓国の65歳以上の人口の雇用率は34.1%となり、OECD1位となった。従来1位だったアイスランドの31%を抜きさったようである。
おじさんは 高齢者が健康で、仕事への意欲が高いためなら良いことと思う。ところが韓国では違うようである。2018年基準で韓国の65歳以上人口の相対貧困率は43.4%に達する。これもまたOECD1位で、加盟国平均15.7%と比較すると3倍近い。両方の数字から判断できることは「高齢者が貧しい」と言う事になる。
調べると韓国の平均的年金は日本の国民年金の半額程度で、物価は同じか韓国が高いようである。
日本の若年層が年金未払いなどを繰り返して 高齢となった想定も同じになる。人口が減っていく時代 老後福祉のセーフティネットをしっかりと備えていないとダメと判断できる。なお おじさんにも矜持があり、出来る限り セーフティネット のお世話になることは考えていない。只の損得の問題ではないと思っている。先ずは自ら努力が基本である。