三菱重工業に元徴用工らへの賠償を命じた韓国最高裁の確定判決をめぐり、水原地裁安養支部が、三菱重工が韓国企業から受け取るべき商品代金の差し押さえと取り立ての命令を出したことが分かった。原告側弁護士が18日、明らかにした。(時事ドットコム 2021年08月18日22時33分)
この記事を読んで 韓国内で企業が資金に泣くと思った。建前的には 韓国裁判所が日本企業の債権差し押さえ命令を出して 日韓貿易の縮小は不可避な情勢に突入したと伝えてで経済新聞なら終わる。
しかし実務者の韓国の経営者からすれば、原材料の確保に動いた場合 取引先の日本企業などから 支払完了後に原材料納入とされる可能性が高い。三菱その他多くの企業が名指しされているので、提訴などは時間の問題となる可能性もあるので範囲は広がっていく。
物品代金債権に関し、債権差し押さえと取り立て命令を下した意味は大きい。おまけに別子会社・法人のようでもあり、範囲によっては一気に日本企業関連会社撤退など大変な事態になる。
蟻の一穴
大法院(日本の最高裁判所に相当)が2018年11月に日帝強制徴用被害者が三菱を相手取り起こした損害賠償請求訴訟で、三菱に対し被害者1人当たり8000万から1億5000万ウォンの支払いを命じる原告勝訴判決を下したことによるものです。元を言えば この判断が 請求権協定上?ですが・・・。
ソウルの水原地裁の判断であるが、この一歩が大きい。物品代金債権での債権差し押さえと取り立て命令を下したのである。請求権協定に基づいて支払いを拒否することは 日本政府がまとめた既定路線であるので、物品代金債権での債権差し押さえを認めれば、企業は債権の成立しない取引とする。第3国を用いた迂回取引あるいは代金収納後の取引としていく。債権の成立を防ぐように動き出す。韓国企業にとっては 前払いによる資金の流動性低下、資材価格高騰あるいは資材納期の遅れまで発生させる。だが韓国司法が決めたことである。韓国政府が行なうべき行動を取らなかった結果であり、国家としては足りないと言わざるを得ない。
現実に三菱など戦前の財閥あるいは継続している企業は、1945年に韓国内の設備などについて韓国側に収用されたものが多い。その後の請求権交渉の結果にて正式に放棄された。はっきり言えば、朝鮮戦争において 得ていた設備などの棄損・破壊は韓国の責任範囲である。現状なにもなくても、企業も応分の負担はしてきたと言える。
先日も戦前日本人名義であった土地などを、韓国政府が収用しているとの記事も見た。今さらながら対応が遅すぎ、時効取得を主張するものに対して、どうするのだろうと心配になる。日本政府&企業としては 請求権協定を含め 清算が終ったことである。韓国政府は経過を理解しているのだろうか?はなはだ疑問!
今回の地裁の判断は韓国の大法院の決定に基づくものである。もう後戻りが許されない状況となり、残されるのは韓国政府・大統領の判断となる。
続報で裁判所の差し押さえ命令を受けた韓国原告団が三菱重工に協議を要求し始めていると弁護士が表明とある。何と政治的弁護団であろうか? 前回差し押さえた商標権などと違い 即日現金が入る形になっているので、今さら政治的動きは出来ない。誰が知恵つけちゃったのか・・・間抜け過ぎ。
難儀
韓国の企業からすれば難儀なことである。コロナ後これから半導体などをと思ったところで、設備投資あるいは製造資材の手配に悪影響を及ぼすと思われる。
現在 台湾・アメリカ・日本が足並みをそろえて向かう方向とズレて行く。韓国はカヤの外と言うことになる。良くも悪くも 民意が選んだ結果であり、仕方がないことと思う。
正直 今回の判決を経済的に見れば 日本が難儀するのではなく、韓国が自ら招いた難儀となる。衆愚政治にも似た韓国での政治判断そして従前の教育が間違えたと思う。
最新の米軍駐留状況は日本 5万人 台湾 3万人 韓国2.8万人 になったようです。アメリカは台湾に比重を置き出しました。「韓国 ソロソロ 気付!」とのメッセージにも思えます。
今日も じりじり上がる円高相場 じりじり下がるウオン安相場 世間は待ってくれません。
韓国は自分が特別と思いやすい様で、価値観を共有できない国に成って行くようです。それも自分で選んだ道ですので、仕方がないかと思います。
人に例えるなら別嬪さんでも 性格が悪く、気立てが悪ければ選ばれません。しっかり考え、変われぬものは滅びるだけと・・・おじさん見て来ました。待ってこれなんだから・・・仕方ありません。
誰が認定?
その後の続報を見ていると 取立決定命令を受けたLSエムトロンと取り引きがある企業が三菱重工業ではない三菱重工業の子会社という話が出て来た。 これに対してLSグループ関係者は「系列会社であるLSエムトロンが裁判所から通知を受けたのは間違いない」とし「ただしLSエムトロンが取り引きしている会社は三菱重工業ではなく三菱重工業エンジンシステムという会社」と話した。
一応 司法が判断しての命令であり、停止条件付で出せるのか?と思われるが以下のようにある。
この関係者は「三菱重工業と三菱重工業エンジンシステムが同一会社なのか事実関係を確認した後に裁判所通知に対してどのように従うのか決めることができる」と付け加えた。
どの様な提訴で 停止条件付きの命令を出したことも なかなかのものとも思える。事前確認が法の運用の基本であるが、韓国はそうではないらしい。司法がガス抜きのようなことが出来るとすれば、何でもありの国と思える。 もしLSエムトロンが支払いに窮して、画策したなら笑い話である。
そして 聯合ニュースによれば 韓国青瓦台(大統領府)の関係者は19日、「政府は被害者の権利実現および韓日関係などを考慮し、多様な合理的解決策を見つけるために各界各層の多様な意見を取りまとめ、日本側と緊密に協議している」と説明したとあるが・・・毎度の「口だけ」のような気がする。司法に介入できないと答えない所は以前よりマシとも思える。
協議も何も 国交条約の条件に違反した国は 国交が無い国と同様になります。まあ 行くところまで行かないと判らないようです。 韓国青瓦台(大統領府)の関係者 のコメントにも、まだ足りないと思い 呆れてます。・・・呆れて まあ勝手にどうぞに落ち着いてしまいました。