最近の老後の不安に関する記事を読んでいると、どうも年金の平均値と中央値の考え方と資産管理において夫婦で情報管理できていないのが原因のように思う。
資産管理については夫婦間で正直に(きつねとタヌキの化かし会いもあるが)話せば解決することが多いと思う。勿論 夫婦で腹を割って話せるのが難しいことは・・・誰でもわかっているので、これ以上書くのは無理難題とは思っている。
従って年金の平均値と中央値の考え方を理解して置ければ「みんな同じようなもの」と理解できる。
赤信号みんなで渡れば怖くないと同様である。上を見ればキリがない、下を見てもと言うことである。
そうすれば おじさんの如く 比べるだけ無駄、高額の年金は特定のお金持ちの話と流せる。年金と貯金の内で何とかしないといけないだけである。イザとなれば・・・と覚悟を決めるだけとなる。
平均値と中央値
日本の平均的厚生年金受給額は14万円余りであるが、中央値を考えればもう少し少ないと考えられる。多くの方は我が家・自分は平均より低いと更なる不安に襲われているのだろうと思っている。
子供の頃 テストで平均点を取った時、「だいたい真ん中位の順位だった」と思っていたら・・・後ろから何番目。そんなことは何時もと言う訳ではありません。正規分布以外でしたらそのようなことがおこりますが・・・多くの事例はそうはなりません。
データを見る時に注意するべきことは、「平均値が本当に全体の真ん中を表しているのか」と疑っていくことが重要です。
このような基本的なデータの見方を知っていないと、正しいデータからでも誤った結論を出してしまいかねません。
公表されてる数値は全国共通・世代共通?
現在の年金額を計算する式を確認すると概略20歳から60歳まで40年間の年平均所得が
400万円クラス・・・・月14万円
500万円クラス・・・・月15万円
600万円クラス・・・・月16万円
1000万円クラス・・・月20万円
700万円クラス以上になると逆累進性の為 高所得者ほど年金額は下がっていく。月ごとの年金受給額の概略を計算すれば前記数字の前後となる。日本人の平均給与が400万円台であることを考えれば個人の生涯賃金の平均は良くて500万円台以下と見ることが出来る。しかし近年の若年層での昇給幅の減少を見ると実際将来は400万円に至らない可能性が高い。
従って現在 年金受給者の平均的な額は月15万円であると推定出来る。
元凶のグラフ
おじさん 皆を迷わせているのはこのグラフかなと思う。
2年前のDATA集計であるがこのグラフにはノイズつまり誤解させる要素が入っている。
おじさんもそうだが正式の年金受給の前に「比例分」と言うものが65歳前に受け取れた。従って10万円以下の金額は65歳以上で受け取っている正式の金額同様に扱うのは難しい。おじさんの時代は受給額に制限があり 月の給与と比例分の総額が28万円以上になれば、比例分をカットされた。後数年で比例分の支給制度も無くなるので、グラフもすっきりとすると思っている。
この辺りの年金制度詳細がDATAを読む方の頭の中にないと誤解してしまう。実際に65歳以上で厚生年金受給額が10万円以下の方は余りいないと思っている。
また国民年金の奥さんが年金受給可能な65歳となるまで 年金受給者の夫に付加給付が3万円弱ある。この辺りも 見かけ上の受給額が上がり、グラフにあたかも多いと思わせる様な効果が出て来る。
また年金制度が現行の基準と違うので、現行が制度の適用を受けた72歳以下の方はおじさん達と同等になる。それ以上の年齢の方においては 年金が高額になる年齢の方が存在する。従って受給額上位の方も特異な年齢と職歴(私学教職員共済など)の方々に存在するだけである。
実際におじさんが聞いているのが、おじさん自身の叔父 会社の社長を80歳まで現役で続けた。今年99歳にだが 叔父は月に30万円以上の年金を受け取り、いとこは主人の死別後 子供の大学までの学資の大半を叔父から受けたと言っていた。じいちゃん様様である。
現行制度で計算した1000万円の受給額は月20万円であることを考えれば 受給額上位の方も将来ではカウントするほど多くないことがお分かりになると思う。しばらくすれば鬼籍に入り、それなりの数となる。
地域での年金受給中央値は 生活保護あるいは課税の目安を示す級地制度で 大蔵省が分布をおさえていると思っている。東京など1級地で月17+α万円、県庁所在地など2級地で月16+α万円、その他の市町村など3級地で月15+α万円が妥当で高額側に考えた平均レベルと思っている。人がよく口にする 年金211万円以上・・・損得である。従って全体での年金受給中央値は15+α万円が中央値であり平均値と思う。
なお このグラフには出ないが 公的年金に加えて企業年金基金加算もあり、都会では大企業の引退者が多くなることでの偏りもあると思う。年金基金加算もコロナ後を考えればどこまで維持できるか・・・不透明な部分も多い。年金基金の運営状態も近いうちにどうなるか判らない。
最後に 隣の青い芝生だけを見つめて、下を向いたり 天を仰ぐのは・・・如何なものと思う。
精神衛生上 良いことではない。という訳で「おじさんは並」「おじさんは清貧」に満足している。