昨日 おじさんと兄弟のように育った知人がやって来た。おじさんの両親が共稼ぎの為、子供の頃 知人のお婆さんがおじさんの面倒を看てくれたためである。先々月 知人の母も亡くなり本格的に相続をしないといけないと聞いた。
そんな中 法務局から相続関係人のリスト表が送られ、田んぼの名義などを変えるように求められたそうである。不動産関係 父親名義で相続がされておらず、昔の儘のようである。おじさん家(ち)は父が亡くなった時、全てを整理した。このような相続関係人のリスト表は送られていないので近日の動きは知らなかった。先月 別の方が相続云々と言っておられたのは、法務局がこんな書類を送りだしたためか!と気付いた。
権利関係が込み合った事例が増えて来ているとは知っていたが、国が権利関係の整理を 求めだしたところまで来たかと思う。社会とすれば 今の時代に急いだほうが良い。
この場を借りて おじさんが子供にお願いしたいのは、相続に際しては お互いの立場を尊重しろと言うことである。お互いに損した位に思うのが良い。おじさん亡き後は相続を放棄し、奥さんに集約してください。奥さんが亡くなった後は好きに分割してください。最低限 奥さんに子供同士が争う姿を見せないことをお願いする。
実務的には 相続税の申告は相続開始から10ヵ月以内が原則なので早めにした方が良い。相続は 昔のルーズさが通じなくなっています。法改正も視野に入り出したので、注意が必要です。
相続一般
相続で問題になりやすいのが、相続財産(遺産)をどう分けるかです。相続財産(遺産)をどう分けるかは、亡くなった人(被相続人)の遺言がなければ、相続人同士で話し合うのが基本です。
相続人同士での話し合いがうまくいかない場合、家庭裁判所に調停の申し立てを行います。そうなると、いわゆる相続人同士が争う「争族」の状態となります。
調停は裁判のように勝ち負けを決めるのではなく、話し合いによりお互いが合意することで 紛争の解決を図るための手続きです。調停では 一般市民から選ばれた調停委員が、裁判官とともに仲立ちをします。
調停で合意できなければ、審判に移ります。審判は裁判官の判断を求める裁判の一種ですが、費用も時間もかかります。相続人をはじめ、親族関係には大きな影響が及びます。
農地
都会で人口も多く 需要があり、不動産価格もそれなりにする区域は良いが、田舎は別物である。おじさん家(ち)でも農地として「田んぼ」はある。耕作等は農業委員会を通じて委託している。いくらかの賃料の支払いは受けるが固定資産税にも足りない。水路などの管理費である水利費は負担するが、管理作業に駆り出されることは無い。従って農地を持っていても、維持するのに賃料で賄うことは出来ず 持ち出しがある。現状農地は「不良債権」同様である。委託などもせず、管理しないと雑草だらけとなる。近隣からクレームが農業委員会に連絡さられるなどがあり さらに手間は掛る。したがって 自ら耕作などしない限り利益を生むことはないと覚悟しないといけない。
この現状を都会に住む相続人達は知らないので、自身の住む地区の状況から類推する。従って相続に際して「骨肉の争い」の「争族」を始める。結果は 煽る弁護士その他に、ほとんど持って行かれて終わる。「こんなはずでは・・・」と終わる悲劇で幕を閉じ、お金を無駄に使った上に 兄弟関係はこじれたままになる。
元不動産屋なので この風景は嫌と言うほど見て来た。
農地は負債
知人 最後に田んぼが隣接するので買ってくれと言いだした。この時代 誰が負債を増やすことを考えるのか?と言い、もちろん丁重にお断りしたが、知人の性格からはまた来ると思う。引き取ってほしければ「のし」付けなくてはがおじさんの本音である。
元不動屋が不動産業の再開をやりたくもない理由の一つでもある。依頼されてもまともに売り抜ける自信もない。お客様に価格で相当泣いて頂くしかない・・・これ以外の解決方法が思い当たらない。
先日太陽光発電について考えたのも この延長線である。太陽光発電収支を計算したが より多くの負債を子供に残すことが分かった。極論すれば 人口減を迎えた時代 田舎の農地は負債同様です。
但し、自ら農業を始めるなら有効な資本と出来ます。しかし長期の計画と資本そして人がいなければ経営は難しいと思います。