昨年10月1日 長崎県松浦市に設置されていた小型風力発電機が根元から倒壊した。写真を見たが 根元より基礎に固定するフランジを残してポッキリの状況である。破断面の拡大写真が無いので即断はできないが溶接部の割れである。疲労破壊と見ることも出来るが、溶接後の応力なましが不十分なため転倒時の脆性破断ともとれる。なかなか技術的には面白い状況である。
販売会社は羽根の取付ボルト強度不足、製造会社は取付ボルトは強度認定(海事検定)を受けたもので問題ないと回答している。どちらも中国系統の会社なので泥沼化していくと見込める。おじさんが以上に書いた破断面の検証記事が出ないところを見れば・・・どちらも技術的にはお分かりではない。多分 製造会社は技術的裏付けのない、何れかの会社のコピー商品と思われる。
販売会社は羽根の取付ボルト強度不足というものの、普通設計では 風車の羽根は本体を壊さないよう羽根が壊れるように、取付ボルトは強度的に余裕を持たせない。耐えられない強風時に羽根が外れるように計画する。逆にボルトの締め付け中に折れたとの記事 このことは締め付けにトルク管理が行われたのかも怪しい。正直 どちらも技術的には怪しい企業である。まさに 中国のことわざの「五十歩百歩」である。
買った方がお気の毒と思う。保険を掛けておられればと思う。
投資物件
発電した電力の売電単価 風力発電所を拡大する価格設定であったので高く設定されていた。その為 サヤ稼ぎで投資案件になった。記事によれば以下の通りとなる。
事業主の企業は経産省が所管するFIT制度(再生可能エネルギーの固定価格買取制度)に参画し、2018年に都内にあるHYエネルギーという会社が約2千万円で販売しているこの風車を購入し、設置していた。小型とはいえ、発電機は高さ20メートルほど。風速6メートルなら年間8万キロワット以上を発電することが可能・・・この発電機を購入した事業主はメンテナンス費用を差し引いても年間200万円ほどの利益が上がる予定でした。10年で初期投資を回収できるはずだったのに、それが2年で倒れてしまったのですから、大損です。
記事の中でも 自民党二階幹事長の次男が役員の話が飛び出すなど色々面白い。
現行の売電単価推移から言えば20円/Kwh以下 2年前は55円/Kwh以上のため成立した話である。現在 風力発電投資このままでは無理かと思う。なお現行の売電単価でも ヨーロッパなどより高いのでこれ以上の引き上げは無理である。
コストカット
上の記事で終われば再生可能エネルギーの道は閉ざされる。おじさんは高額な設備を作らせたあるはこのような環境を作った官僚組織が問題と思っている。広い空き地で転倒しても良い条件の構造物に必要以上の基礎工事を求め、そして高額な品物とさせる組織の構造である。おじさんは 法令で定める鋼構造物としての扱いを外せば出来ると考えている。
極端に書いたが可変ピッチプロペラ構造のものだから基礎に掛かる力はそう大きくはない。30年も持てばよいと考えれば 基礎は鋼管杭1本の掘立構造でも大丈夫と思う。
キット大国 アメリカではどうかと探したら 約500万円で同クラスの基礎から上のキットがある。適当な掘立の基礎とすれば総額一千万円以下で作れるように思う。これなら現行の発電単価でペイできる可能性がある。送電などの電柱他の建設コストもあるので一概に言えないが、多数を一定地区にまとめて建てればそちらのコストも削減できる。再生可能エネルギーの道 切り開く手段は電力価格に応じた建設イニシャルコストの低減しかない。
考えて見れば 建設後 土地設備込み総額3000万円程で売って利益を出すビジネスモデルなので、そこそこ載せてあるのも理解できる。運用実績から転売されるようになったと、理解出来ればさらに納得がいく。
将来展望
自己責任という言葉があるが、そこに官僚組織の大過なくという過剰な安全側に振られて設備を作ることの是非を問う時期かと思う。危険物、高圧ガスなど爆発、火災など近隣に被害を及ぼすものなどでは一律的な法規制緩和は良くない。しかし 人の居住することのない原野山林でも基本的に法規制が同じこと(準用)も理解しかねる。
また天災、事故が発生すれば・・・車の自賠責のような被害者が保証される制度を作らなければ、被害者は泣き寝入りとなる。土砂崩れによる太陽光発電所の壊滅でも、責任者は逃げたままである。現在 中古太陽光発電所勧誘パンフなどで保険ありと謳うが怪しいものである。この辺りの設置責任の所在の明確化と補償制度設立が重要と思う。
今では 太陽光発電などから始まり 古い売電単価の高い設備の投資案件が溢れるようで・・・以前書いたが連系盤の寿命と更新 同時に売電単価の見直しを考えれば、エコに名を借りた 欲望のババ抜きの様相となっている。紹介でも 電力会社からの出力制限のことなどさらりと流し、不動産投資と同じよなものと理解して良い内容である。
逆におじさんのように引退年金生活していれば、太陽光発電を管理でパネル掃除、支柱のペンキ塗り草取りなど 細かく小遣い稼ぎを15年程出来ればと考える。人の役に立ち、ストレスもさほどなく軽微な仕事である。そんな暮らしを助けてくれる太陽光発電などがあればと思う。15年でペイして葬式代が出ないといけないと考え、積み上げて計算して見たが・・・・だめである。
コロナ同様 将来を切り開くには 政治の英断が求められる時代であるが・・・どうなるか。自動車のEV化についても 政治の発信力が足りないのを見ると、日本の政治家の不勉強を思う。まあ 老い先長くもないことと思い、いつも思う「適当が一番」となる。
最後に 話は変わるが おじさん 昔 子供のこいのぼりを立てるポールの設置にあたり、転倒について検証したことがある。鯉3匹を円筒、ポールを10m、風速は20m/sと仮定して計算した。結果は1m程 塩ビパイプのガイドパイプを埋めて、地上部に排水桝を被せモルタルなどを充填して置けば足りると分かった。計算法は風過重・転倒モーメントであり、建築の教科書に必ず書いてある項目である。(お詫び この段はジイが孫のために大型鯉のぼりを購入&贈呈し、掲揚するようになった場合のことを仮定して書きました。手配はジイの範疇ですが ポール設置は子供のお仕事です。団地などで不可能な場合もあります。それはそれで・・・話のついでに書かせて頂きました。)