過日 「変身自転車」なるものを 孫に幼稚園入園祝いか誕生祝いか 判らないまま買わされた。
この自転車 ペダル部分を後付け出来るということであった。
練習風景を携帯で撮って、毎日のようにアルバムに上げてくる。
今週 坂になっている個所で何度かペダルを踏めたのが うれしいらしく幼稚園から帰ると 練習に行くようだ。
「じい」としてはうれしい限りである。
昔々
昔は 子供用自転車は珍しかった。小学校2年生になって初めて中古自転車に乗った。
自転車本体は 神戸にて手に入れた中古とのことで 田舎ではタイヤチューブとタイヤがリムに合うものがなくて、自転車屋の親父が作ったものだった。
大人の自転車タイヤを組み合わせての張り合わせだった。チューブも同様であった。
自転車屋で受け取った直後 家の横にある坂を惰性をかって乗って下った。
お調子に乗りやす性格なので、2回目は自信をもってペダルを踏みこんだ・・・・途端 転倒し隣家の木の塀を壊した。
隣の家は材木屋さんの若夫婦だったので、おばちゃん ごめんと尋ねて行ったら 即 許していただいた。
その後は何度も坂道を下り ペダルに足を乗せ軽く踏み込む練習を重ねて・・・その日の夕方には乗れるようになっていた。
なお 塀は週末の日曜日 もちろん 隣家のおじさんが 割れた板を取替していた。
半年したら新車
練習に使用した中古自転車は半年ほど乗ったが、半年ほどで新車に代わる。
自転車は 再度練習用に引き取られ、再販され同級生が乗っていた。
日本全体が貧しさから脱出する時代であり、子供用自転車など新車は高価で練習させるにのは・・勿体ない・・と言うことである。
時は池田隼人首相の所得倍増 高度成長時代 どんどん変わっていく。
三角乗り
自転車に乗れたので 俄然 姉たちの年上がしていた三角乗りに挑戦する。
三角乗りといってもお分かりにならないと思うので説明する。
子供は大人用自転車にサドルに腰掛けて運転することが出来なかったので、子どもが乗るために 考え出されたのが三角乗りであった。
まだママチャリタイプが少ない中、父たちの乗っている自転車のフレームの大半がまだ三角形をしていた。
この三角形の中に右足を入れて、ペダルを踏みながらなんとか前に進んだのである。不安定な乗り方なので転ぶことも多かった。
当然と言うが・・・子供用自転車で得た自信は崩れない。何とか乗れるのである。
おじさん 何かを行うには 小さな自信が大事と思う。小さな自信を重ねることだと思う。
ささやかな進歩でも大きいことと思う。一歩一歩 進めばよいと思う。